外国人採用に役立つ補助金と助成金の具体制度と申請手順

外国人労働者の採用にあたり活用できる補助金・助成金制度は多数あります。ここでは代表的な制度例と、その申請手順のポイントを解説します。

代表的な補助金・助成金制度の紹介

1. 雇用調整助成金（外国人雇用対象）

新型コロナウイルスの影響緩和を目的に設けられた助成金ですが、外国人労働者を含む雇用維持に使えます。
【対象】休業や教育訓練を行う企業
【支給額】休業手当等の一部補助
【ポイント】外国人も対象になるため、雇用継続のために積極的に利用可能。

2. 特定技能外国人支援補助金（地方自治体ごとに名称や内容が異なる）

地方自治体が独自に設けることが多く、特定技能外国人を受け入れるための研修や生活支援に活用できます。
【対象】特定技能の受入れ企業
【支給額】研修費用の一部補助や生活支援費用補助など
【ポイント】自治体ごとに内容が異なるので、地域の商工会議所や行政窓口で情報収集を。

3. 人材確保等支援助成金（外国人労働者対象プログラム）

外国人労働者の職場定着や能力向上を目的とした研修やキャリア支援に対して支給されます。
【対象】外国人雇用事業主
【支給額】研修費用や指導者養成費用の補助
【ポイント】研修計画の提出と効果報告が必要。

補助金・助成金申請の具体的な流れ

1. 申請要件の確認と情報収集

まずは自社の外国人採用計画に適した補助金・助成金があるか、国のホームページや自治体窓口、商工会議所の情報を集めましょう。
対象となる労働者の条件、申請期限、必要書類などの詳細を必ず確認します。

2. 申請書類の準備

• 採用計画書、研修計画書
• 労働契約書の写しや就業規則
• 助成対象の費用の見積書・領収書（後日提出）
• 外国人労働者の在留カードなどの身分証明書

これらを準備し、申請先の様式に沿って作成します。

3. 申請書の提出

郵送またはオンラインで所管の窓口に申請します。自治体や助成金ごとに提出方法が異なるため注意が必要です。
提出期限も厳守しましょう。

4. 受給決定通知の受領

申請が認められると「受給決定通知」が届きます。ここで初めて助成金・補助金が支給される権利が確定します。

5. 事業実施と経費支払い

計画に基づき外国人採用や研修などの事業を実施し、助成対象の経費を支払います。

6. 実績報告書の提出と証拠書類の保管

実施後、報告書や領収書を提出し、適正な使途があったことを証明します。
監査に備えて書類は一定期間保管しましょう。

申請を成功させるためのポイント

• 早めの準備を心がける
  申請書類の作成や必要書類の収集には時間がかかるため、余裕を持って準備しましょう。
• 専門家への相談
  社会保険労務士や補助金申請のプロに相談すれば、書類の不備や見落としを防げます。
• 計画の具体性を高める
  採用や研修の目的・方法・効果について明確かつ具体的な説明が申請審査で評価されます。
• 複数制度の組み合わせ検討
  補助金と助成金は重複して利用できる場合もあるため、計画に合わせて最適な組み合わせを考えましょう。

外国人採用の補助金・助成金活用は、企業のコスト負担軽減だけでなく、外国人労働者の職場環境整備や長期的な定着支援につながります。
ぜひ上記の制度例と申請手順を参考に、早めに準備を進めてみてください。