特定技能と技能実習の違い10選|制度の特徴や移行方法も解説

外国人労働者を受け入れる際、「特定技能」と「技能実習」のどちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか?

この2つの制度は似ているようで、その目的や制度内容には大きな違いがあります。

今回は、「特定技能」と「技能実習」の違いを10項目で比較し、それぞれの長所や注意点、さらには技能実習から特定技能への移行方法まで詳しく解説します。


特定技能と技能実習の違いを10項目で比較!

以下の表は、特定技能と技能実習の主な違いをまとめたものです。

比較項目

特定技能

技能実習

①目的

日本の人手不足の解消

母国への技術移転(国際貢献)

②作業内容

単純労働を含む

単純労働は不可

③対象職種

特定技能1号:16分野特定技能2号:11分野

約90職種

④技能水準

一定レベルの技能が必要

入国前の技能要件はなし

⑤試験

技能試験・日本語試験あり

原則試験なし(介護職種のみN4要件)

⑥働き方

就労(転職可能)

実習(転職不可)

⑦在留期間

特定技能1号:最長5年特定技能2号:上限なし

最長5年(1号〜3号合計)

⑧家族の帯同

特定技能2号のみ可能

不可

⑨受入人数の上限

原則なし(分野により制限あり)

企業規模によって制限あり

⑩関係団体

登録支援機関がサポート

監理団体が管理


特定技能と技能実習、それぞれの長所と注意点

特定技能のメリット

  • 即戦力として採用できる
  • 在留期間の延長や家族の帯同も可能(2号)
  • グローバルな事業展開の基盤に

特定技能の注意点

  • 一定の技能や日本語力が求められる
  • 人材確保が難しい場合も

技能実習のメリット

  • 未経験者でも受入れ可能
  • 試験不要で人材の母数が多い
  • 若年層を中心に人材を集めやすい

技能実習の注意点

  • 単純労働は不可
  • 指導や教育に時間と労力が必要
  • 就労ではないため転職不可

技能実習から特定技能への移行も可能!

「せっかく育てた人材にもっと長く働いてほしい…」とお考えの企業様に朗報です。

技能実習2号を2年10カ月以上、良好に修了した実習生は、試験免除で特定技能1号へ移行可能です。

移行の流れ(フロー図)


    A[技能実習2号修了(2年10カ月以上)] --> B[同職種分野での特定技能申請]
    B --> C[技能・日本語試験免除]
    C --> D[地方出入国在留管理局へ申請]
    D --> E[特定技能1号へ移行完了]

登録支援機関と監理団体の違いにも注意

団体

制度

主な役割

運営形態

登録支援機関

特定技能

生活・業務サポート

民間企業も可能

監理団体

技能実習

実習の監督・指導

協同組合など非営利


まとめ:目的や仕組みを理解して適切な制度選びを

「特定技能」と「技能実習」は混同されがちですが、目的・内容・制度設計のすべてが異なります。

  • 即戦力がほしい → 特定技能
  • 教育前提で受け入れたい → 技能実習

このように、企業のニーズによって適した制度は異なります。

また、技能実習から特定技能へのスムーズな移行も可能なため、長期的な戦力確保として両制度の活用を検討してみてください。

← 一覧へ戻る